
オリジナルアニメ映画『夏へのトンネル、さよならの出口 』
作品のあらすじ
ウラシマトンネル――そのトンネルに入ったら、欲しいものがなんでも手に入る。
公式ホームページより抜粋
ただし、それと引き換えに……
掴みどころがない性格のように見えて過去の事故を心の傷として抱える塔野カオルと、芯の通った態度の裏で自身の持つ理想像との違いに悩む花城あんず。ふたりは不思議なトンネルを調査し欲しいものを手に入れるために協力関係を結ぶ。
これは、とある片田舎で起こる郷愁と疾走の、忘れられないひと夏の物語。
感想・レビュー
原作を読んでから鑑賞しました。
生きづらさを美しい夏の青空に変えていくような、希望や疾走感を感じる青春モノとして良い作品だなぁと思いました。
原作は小学館ガガガ文庫、タイトル同じく『夏へのトンネル、さよならの出口』。

スイスイ読める文体はまさにライトノベル。しかし内容は宇宙人も異世界転生も出て来ない、正統派の青春もの。真っ向勝負って清々しい。
ただ、この作品は著者八目迷さんのデビュー作だそうで…(第13回小学館ライトノベル大賞のガガガ賞と審査員特別賞受賞)。そのためか、私の目にはやや荒削りに見える部分も…。
例えば主人公塔野カオルの境遇。

『ちょっと悲惨すぎない⁉︎』というのが率直な感想。
妹のカレンはカオルの目の前で木から落下し命を落とし、家族を失ったショックのためか母は蒸発。文字通りの一家離散状態。

そんな状況で父親は親の役割を放棄し、完全にネグレクト。カオルに対し「お前が◯ねばよかったのに」などととんでもない暴言を吐くありさま。
酷い虐待親、毒親なのですが、父親がそうなるのも理由があって…、なんとカオルは母親の不倫相手とのあいだに生まれた子で父親との血のつながりはない。
最愛の娘と妻を失った事がきっかけとなり、タブーだった親子関係のいびつさが一挙に顕在化したという事のようですが…、ここまでの不幸のコンボでコジれまくった家庭環境ってあるのか?という気も。
さらに母親もよく分からんというか…。蒸発して過去の辛い思い出のない何処か遠くへ行ったのかと思いきやそうではないらしい。
カオルの住む香崎の町の夏祭りにノコノコ新しい交際相手と現れ、カオルとばったり遭遇。久々の再開であるはずの実の息子相手に恐怖に顔面を引きつらせ、凄まじい拒否反応を示すという場面が出てくる。
これもまたカオルの悲惨コンボですが…、しかし遠い処に住んでいればそんなに顔も見たくないカオルに会うリスクを冒しながらもわざわざ香崎の町に来ないハズ。
それであっても夏祭りに出てきたということは……、ひょっとして同じ町に暮らしているのか⁉ 家族を捨てて蒸発したのに。

ヒロインの花城あんずは漫画家を目指し、この世に爪痕を残すような特別な人間になりたいと言う。
しかし、何故漫画家になりたいのかは語られない。『特別な人間』という欲求に至るエピソードは詳細に語られるのですが、内容が意外に抽象的で、動機としてストンと腑に落ちる感じではない。
そして、「ウラシマトンネル」の正体が何なのか、最後まで謎のまま。
…という、細か~いデティールで見ていくと大味に見える部分もあったのですが、しかし、映画版では私がダラダラと述べた不満点、ほぼ全て改善されておりました。

作画は美しく、あんずとカオルの心の動きは繊細に表現されて、何故この二人が惹かれあっていったのか、それが良くわかる。『夏へのトンネル、さよならの出口』という作品の本来の魅力、凄さを知ることが出来ました。
青春もの、ボーイミーツガールものとしての切なさは新海誠監督の『ほしのこえ』のようなデリケートさを想起するものがあり、一方で「細かいこたぁどうでもいい」というパワーもある。
やはり…、アレになりたいコレになりたい、あの娘が好きこの人が好き、此処ではない何処かに行きたい、何処かって何処?理屈ではないのですね、思春期は。
原作では、カオルはウラシマトンネルに入ってからはずっと走り続けている。カオルは苦しみの先を見つけるために走り続ける。それが原作の魅力の一つなのだと気付かされました。
一方で、あんずはカオルと一緒にトンネルには入らず現実世界で夢を追う。この対比が『ほしのこえ』みたいで面白い。
あんずの追っているものとカオルの追うものは違っても、辿る時間は違っても、ふたりは繋がっている。夢について、人と人との距離について考えさせられました。
ただ、全体の上映時間は約80分と、かなりコンパクト。
そのため、原作ではあった川崎さんのエピソードなどはカット。
よりテーマがダイレクトに伝わるようになったとも言えるのですが、特にウラシマトンネルに入ってからの展開はもうちょっとじっくり描いてほしかった気もする。
あと、ウラシマトンネルの正体は映画版でも謎のまま。これも、カオル・あんずにとってはたいした事ではない、「どうでもいい」事なのかもしれませんが、どうせだったらテーマに絡んだしっかりとした設定があったらより作品としての完成度は上がったのではないかなぁ、という気もします。

映画『夏へのトンネル、さよならの出口』 | |
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原作 | 八目 迷 「夏へのトンネル、さよならの出口」(小学館「ガガガ文庫」刊) |
監督・脚本・絵コンテ・演出 | 田口智久 |
キャラクターデザイン・総作画監督 | 矢吹智美 |
演出 | 三宅寛治 田口智久 |
美術監督 | 畠山祐貴 |
音響監督 | 飯田里樹 |
音楽 | 富貴晴美 |
アニメーション制作 | CLAP |
出演 | 塔野カオル:鈴鹿央士 花城あんず:飯豊まりえ 加賀翔平:畠中 祐 川崎小春:小宮有紗 浜本先生:照井春佳 カオルの父:小林力也 塔野カレン:小林聖蘭 |
主題歌 | 「フィナーレ。」「プレロマンス」 歌:eill |
配給 | ポニーキャニオン |
上映時間 | 約1時間22分 |
本編上映時間 | 約1時間18分 |
クレジット時間 | 約4分 |
ポストクレジットシーン | 無し |
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