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2025年8月27日 0
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肌感覚で体感 日本のアニメーション発展の歴史「高畑勲展」観覧記【日々の感想】

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高畑勲展—日本のアニメーションを作った男—

会期 2025年6月27日(金)〜2025年9月15日(月・祝)
会場 麻布台ヒルズギャラリー 東京都虎ノ門5-8-1 麻布台ヒルズ ガーデンプラザA MB階

文:ミズ・レモン

麻布台ヒルズにて開催中の「高畑勲展—日本のアニメーションを作った男—」に行って来ました。
高畑勲さんの業績が時代順に解説されていて非常に分かりやすかったです!

そのキャリアは入社間もない東映動画での「竹取物語」アニメ化企画の脚本プロット案から始まり、「太陽の王子 ホルスの大冒険」で監督・演出として制作体制、作品テーマ両面で団結の理想を追い求め、世界名作劇場では日常描写としてのアニメーション表現を追求、「じゃりン子チエ」からは日本の風土に根ざしたテーマの作品へと変化し始め、最終的には「かぐや姫の物語」に行き着く…。

その流れが良く分かりました。

高畑勲さん(その他、宮崎駿さんをはじめとするスタッフさん)のメモ等も数多く展示されていました。それを見ていると、高畑勲さんの人となり、情熱・気迫がひしひしと伝わって来る。

図録より「『レポート”竹取物語をいかに構築するか”のための 思考プロセス』メモの一部」

「竹取物語」を『それほど面白いとは思わない』。企画に対し『動画にしたいという意欲をもったことがない』と、かなりあけすけに言いたい放題。しかし、どうすれば良い作品になるのか、という事を事細かに理屈を立て、時折フランス語を交えて説明している。

図録より「「ぼくらのかぐや姫」と書かれたメモの一部」

Drole de drama を 音楽劇にしたてる

とか、

こうして作ったものが comique でなく drole な感じがして、不思議な虚無感が漂えば成功。

とか…

さ、さすが東大仏文科卒…。

もうひとつ凄かったのは、宮崎駿さんや近藤喜文さん、小田部羊一さん等の、偉大なアニメーターさんの原画が展示されていた事。

図録より

近藤喜文さんによる原画「赤毛のアン」のアン・シャーリー。

骨格の見えるが如く、って言えば良いのか、デフォルメされた描写の中でも、彫りの深い白人女性の顔の立体感が伝わって来る。

そして、宮崎駿さんの原画。

図録より「母をたずねて三千里」宮崎駿氏によるレイアウト画

レイアウト設定の絵ですから、ラフで非常にシンプルな線で描かれている。にも関わらず、思わず惹きつけてられてしまう存在感。
カリスマ性いっぱいの作画、とでも言いましょうか…、どうしてこういう絵になるの?という不思議な感覚に陥り、なんだかショッキングですらありました。

この後には「火垂るの墓」「かぐや姫の伝説」等の原画も展示されていました。
これも凄かった。

図録より「近藤喜文と山本二三によるポスターのためのイラスト」
印刷の具合によって、上のB-29が不鮮明なバージョンがあるようですが、原画はB-29がハッキリと描かれていました。
図録より「かぐや姫の物語」橋本晋治氏による原画

アニメの制作は工程をいくつも経るから、画面上から原画を描く人の筆致など『力』がそのまま感じられる作品は少ない。それを克服しようという発想がスゴイ。

これが人の想像と創作によって作られるアニメーションの持つ芸術性というものかと、認識させられます。

こうして見てみると『高畑勲』とは、先日紹介させていただいた松本零士さんのような、強烈な自己主張や己の世界観で作品を作り上げていく、というタイプの作家さんではないけれども、理想や本質を究めようとする情熱や知性は凄まじいものを持った人だった、という事を思いました。

広範で豊富な知識と、それを分析・解析するセンス、それをアニメーション表現の革新へと注力していった偉大なアニメ作家であると…。

アニメを芸術の領域で表現できるのは、日本では高畑勲さんだけだったのだなぁ…。

『日本のアニメーションを作った』というのは大げさではない、数多くのプロットのメモ、制作工程のチャート、原画などの展示を見ていると、日本のアニメーションの発展の歴史、そこに携わった人々の息吹を感じる事が出来たの!

ただ、高畑勲さんが逝去されてはや7年だけど…。

正直言って、最近の原作なし、オリジナルで制作されたアニメ映画って、ストーリーの組み立て方とかが宮崎駿作品の影響をものすごく受けている感じが俺っちはするんだけど。

高畑作品の影響を受けているアニメ作品ってあんまり見たことないか。

本当に深い部分で高畑作品を理解するのは、なかなか難しいのかもしれませんねぇ…。

スタジオジブリ 宮崎駿 火垂るの墓 赤毛のアン 近藤喜文 高畑勲 高畑勲展—日本のアニメーションを作った男—

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