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2021年10月9日 1
アニメの感想, アニメの雑感日記, 感想記事, 日々の感想

機動戦士ガンダム「ククルス・ドアンの島」が映画になる?  【アニメの雑感】

機動戦士ガンダム「ククルス・ドアンの島」が映画になる?  【アニメの雑感】
2021年10月9日 1
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2022年に“ガンダムシリーズ”新作3作品の公開が決定! 7年ぶりのTVシリーズ「水星の魔女」も

『機動戦士ガンダム』より、2022年にガンダムシリーズの新作3作品が公開決定。TVアニメ『機動戦士ガンダム 水星の魔女』、映画『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』、TVアニメ『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』(特別編)が、それぞれ公開される。
(中略) 映画『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』を2022年に公開する。TVアニメ『機動戦士ガンダム』の1エピソードとして描かれた「ククルス・ドアンの島」を元に、安彦良和監督が描く劇場作品だ。

『アニメ!アニメ!』2021.9.15記事(https://animeanime.jp/article/2021/09/15/63924.html)より
公式ホームページより

あの「ククルス・ドアンの島」が映画になる。
監督はあのアニメ界のレジェンド安彦良和氏。

ネットでこの記事を見かけた時は絶対にネタだと思いました。
でも、ホントなのですね…。

あの作画も忠実に再現されるのでしょうか。

機動戦士ガンダム 第15話『ククルス・ドアンの島』 脚本 荒木芳久 作画監督 鈴村一行

ククルス・ドアンの島

連邦空軍からの緊急信号を受け、アムロはコア・ファイターで近くの島へと向かった。不時着した戦闘機を発見し瀕死のパイロットに応急手当を施すアムロに、敵意を抱く三人の子どもが近づき、ドアンと呼ばれる男がザクで現れた。ザクに撃墜されて傷ついてしまうアムロ。手当をしてくれたロランという少女に最初は反発を感じたアムロだったが、次第にドアンに興味を抱いていく。ドアンはジオン軍の脱走兵であった。子どもたちの親を殺して以来、罪の意識に囚われて追っ手を避けながら島で子どもたちを育てていたのだ。

バンダイチャンネル(https://www.b-ch.com/)「ククルス・ドアンの島」エピソード解説より

「ククルス・ドアンの島」は初代「機動戦士ガンダム」の第十五話。

ガルマが死に、シャアも左遷されてレギュラー出演キャラではなくなりしばらく出番ナシ。

序盤の山場が終わり、ここからいよいよランバ・ラルとの戦いを通してアムロ自身の内面的成長が主眼となっていく前のタイミング。所謂〝捨てエピソード〟的な中休みのお話で、この前に第十一話『再開、母よ…』、熱血スポ根テイストの第十二話『時間よ、とまれ』といったエピソードがある。

『ククルス・ドアンの島』は初代ガンダムの全エピソードの中でも最も本筋とは関連のない…とも言い切れない部分もあるのですが、見た目上はかなり注目度、重要度は低いお話。

しかし内容は、見る者に色んな想像を巡らす事を可能にするククルス・ドアンの過去や、脇を固める魅力的なキャラクター達といった要素に支えられ、ストーリー的な奥深さはかなりのもの。

にもかかわらず、それを表現する作画が「捨て回」特有のユルさで、崩壊寸前のカオスの極み。そのアンバランスさ故に、ファンの間では今も語り草となっている伝説的エピソード。

ご存じない方は、下の画像を見ればその凄さはある程度伝わろうかと思います。

短い胴、妙にスレンダーな脚、伸びた鼻の下、設定を無視した頭部のデザインなど、そのすさまじい造形美は印象派モディリアーニの絵画を思わせるアヴァンギャルドさだと思います。
ククルス・ドアンといえば岩投擲による肉弾戦。
正面から見ているのか、ななめ前から見ているのか、どの視点から見ているのかよく分からない、まるでピカソのキュービズムではないですか、これは。すごい。
これは上空を通り過ぎるルッグンを振り返って見ようとする瞬間の作画。高速で横回転するガンダムの頭部を描いているので、こういうゆがみ方をするのは作画の技法的に往々にしてある…かと思うのですが、しかしもうちょっと何とかならなかったのかとも思う。
背景の雲も凄いし、ガンダムの盾に隠れた部分はどんな形状になっているのか、ザクの両肩の付き方、腰と脚の付き方の辻褄の合わなさ、全ての要素がおかしいにも関わらずガンダムがザクをぶん投げているという状況は違和感なくスッと把握できる。プロの作画です、これは。
ガンダムを1ミリも知らない人が記憶をもとに描いた…とは言わないまでも、設定をよく把握せずに原画を描いているとしか思えない。しかしこれも、絵そのもののデッサンはしっかりしている。

出てくる登場人物は皆キャラが立っていて良いですよね。特にドアン、ロラン。

中央の男性がククルス・ドアン
ロランの陰のある、薄幸な感じは良い!

このキャラクター達が大画面に出てくるのを見られるのは楽しみです…。

しかし、あの『閃光のハサウェイ』ですら、「えらく番外編感満載のマイナーなタイトルを映画化したな~」と感じたのですが、今回はそれを遥かにしのぐマイナータイトル。
…だと思っておりましたが、既にコミカライズもされているのですね。えっ全5巻!?

機動戦士ガンダム THE ORIGIN MSD ククルス・ドアンの島 全5巻

おおのじゅんじ / カトキハジメ / ことぶきつかさ / 矢立肇・富野由悠季 / 安彦良和

KADOKAWA刊 角川コミックス・エース

映画版はこの漫画「ククルス・ドアン」が原作となるのかと思ったのですが、映画版はあくまでTV放送第15話を中心に映像化されるのだとか。

ちなみに、漫画版「ククルス・ドアンの島」は完全に安彦良和氏による『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』のサイドストーリー、スピンオフ作品(作画はおおのじゅんじ氏)。ドアンは何故軍を脱走したのか、脱走後どうなったか、をジオン公国内部の利権や政治的陰謀等を通して一年戦争全体のスパンで描かれる。

よくまぁ、ククルス・ドアンを題材にしてここまでお話を膨らませられるものですね…

「ククルス・ドアンの島」のユニークさ、あらゆる展開を可能にするガンダムシリーズの懐の深さ、完成度、いろんな凄さを感じました。
ただ、漫画版にはガンダム本編の「ククルス・ドアンの島」エピソードは一切出てこない。それがあればもっとお話的に盛り上がったと思うのですが、それがないのは「機動戦士ガンダム THE ORIGIN MSD」という、モビルスーツの開発秘話を描きながらガンダム世界のメカ考証を深める、という今作品のコンセプトのためなのでしょうね。

何はともあれ、今後ドアンの活躍がどんな風に描かれていく事になるのかすんごく気になるところですが…、あ、既にほぼ完成!?

2022年1月22日より開催される「安彦良和/機動戦士ガンダム THE ORIGIN展」に向けての安彦良和氏のコメント

しつこいコロナのせいで色んなことが予定どおりにいかない昨今、皆さま、いかがお過ごしでしょうか。

私は、おかげ様で元気です。仕事しております。

『THE ORIGIN展』というのが(予定どおりですと)来年早々開催されるそうです。

『ガンダムエース』誌上での連載が終わってはや十年余。

『過去編』のOVAも、制作終了からもう3年になります。

でも、皆さまから変わらない応援をいただいているのでそういう運びになったのでしょう。ありがたいことです。

その後、ガンダム本編の映像化については曲折があり、現在『ククルス・ドアンの島』の映画化が進行中です。

コロナにもめげず、可能な限りのリモートワークで、それももう大詰めにさしかかりました。

オールドファンには懐かしい、若い人にも子供さんにも観て楽しんでもらえるお話が出来上がりつつあります。

『THE ORIGIN展』ともども、来年のお目見えをお楽しみに。

『アニメ!アニメ!』2021.9.26記事(https://animeanime.jp/article/2021/09/26/64164.html)より

来年のお目見えが本当に楽しみ!

オカ・ケン一作 肘掛椅子に座るドアン・ザク

引用画像は全て「機動戦士ガンダム Blu-rayメモリアルボックス Disk 3」より

ククルス・ドアンの島 安彦良和 機動戦士ガンダム 機動戦士ガンダム THE ORIGIN

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1 件のコメント

匿名 より:
2021年12月26日 06:49

独特の世界観を掘り起こす、いいね️

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