面白かったです。
面白かったですが、庵野秀明&樋口真嗣ペアらしいというのか、令和時代の新たなウルトラマン像といったテーマ等があるのかと思っていましたが徹頭徹尾パロディオマージュ映画でした。
SEはすべてオリジナル通りとか初登場時はAタイプマスクで次からB、それでCタイプに変わるとか

「シン~」本編中も最初は全身銀色のAタイプ顔で登場するのですが、次に登場するときは赤いラインの入ったBタイプフェイスになっている。最終的にCタイプになる。
DVDウルトラマン第1話「ウルトラ作戦第一号」・第39話「さらばウルトラマン」より
にせウルトラマン激痛チョップシーンが出てくるとか

第18話「遊星から来た兄弟」より
巨大フジ隊員が出てくるとか…

主演斎藤工さんの無機質なしゃべり方は、初代ウルトラマンの声をアフレコしたという編集技師さんの演技を意識しているのでしょうか。

第1話「ウルトラ作戦第一号」より
他にもまだまだウルトラQを含めてネタが隠されているようですが…、ストーリー前半はこういうファンが微妙にニヤ〜っとするような描写の連続。
系統的には映画『ボヘミアン・ラプソディ』とか『跳んで埼玉』のように、ウルトラマンマニアの人たちが思い切りみんなでワイワイ言いながら笑いつつ見るのに適した映画なのではないかと思いました。
CGもミニチュア特撮とか着ぐるみの質感とかを再現するためなのかそんなに細密でもないし挙動のリアルさもないし、そういう映画と感じました。
しかし、ストーリー後半になると顕著になりますが、設定・シナリオ、「エヴァ」を彷彿とさせるアングル等々、説得力を持たせるため各要素は非常に練りこまれているのが判り、見ていて楽しいです。
この感覚はマーベル映画に近い。総合芸術なりの映画本来のオリジナリティというよりは、エンターテイメント性盛りだくさんの、テーマパークのライドを疑似体験しているようなあの楽しさ一杯マーベル映画。
パロディといっても「ウルトラマン」よりは「マーベル映画」のシミュレーション作品(劇中では「マルチバース」がどうのこうの言ってたし…)、「ウルトラマンライド」という感覚で楽しめる映画ではないか…と私は思います。