【日々の感想】「お花見に『秒速5センチメートル』桜を見に行った話」と、「「お花見に『5センチメートル』桜を見に行った話」のあと千鳥ヶ淵公園に行った話」の合体版です。
もくじ
お花見に『秒速5センチメートル』桜を見に行った話
三月下旬、東京では桜が満開になってから雨ばかり。
これではすぐに散ってしまうではないか…!
天気は悪いが花見に行ってみようかなどと思いつつ…。ではどこに行こう。千鳥ヶ淵か、新宿御苑か、はたまた飛鳥山公園が良いか。
んで、ふと思い出しました。
桜の落涙の速度。
新海誠監督作品「秒速5センチメートル」!
あの踏切のシーン
鮮やかな桜
ボーイミーツガールの、ほろ苦い恋心。些細なすれ違いこそ少年少女の世界の真実の姿であるような、刺すような鮮烈さ。
それを描き切る新海誠監督のリアリズム、若き感性ほとばしる名作。
前作「雲の向こう、約束の場所」は、明らかにエヴァンゲリオンの影響が大、好きなんだろうなぁという印象を受けますが、しかし「好き」に流されず、バリバリのSFでありながらちゃんと新海誠作品としての世界観の表現にブレが無いのは驚異的な事。
ただ、この「雲の向こう〜」以降の新海作品にはロボットアニメ的なハードSF要素は無くなり、より新海作品としての深化が始まる。その方向性が打ち出された作品がこの「秒速5センチメートル」なのではないでしょうか。
その作中ラスト近くに出てくる踏切のシーン。
その踏切は代々木公園の近く、小田急線参宮橋の駅の近くにあるというではありませんか。
ならば今年の桜は5センチメートル桜を見ようと地下鉄千代田線、代々木公園駅に降り立ちました。
すでに沿道の桜は満開。ここから代々木公園沿いに北進して5分ほど。
見えてきました…。「青少年センター前」。
「国立オリンピック記念青少年総合センター」の門前を北に向かって左に曲がると見えてきました。
おお…、
ここか…!
おお、なんという美しい新緑 !!!
桜 ねぇーーー!!!!!
桜、ありませんでした。
踏切のシーンと付近の建物の形状を見比べる限り、ここで間違いなさそう。右にある青々とした大木が桜の木に変更されている演出のようです。
まぁ、そういう事もあるかと思いつつ現地には行ったのですが。
ただ、この代々木公園、参宮橋、代々木八幡、小田急線の沿線を歩いていると、「秒速5センチメートル」の作品世界にトリップするような、不思議な気分にもなります。
参宮橋で新宿行きの小田急線に乗り「秒速5センチメートル」で示された新海誠監督の感性や情念にどっぷり浸りつつ、この後の作品でだんだんと変化を遂げる新海作品の変遷に思いを致すのでありました。
その他撮影した東京の桜ギャラリー
しかし、日本の街は至る所に桜がありますね。
付近に植えられている桜がキレイだったので写真を撮ったのと、お台場の桜も撮影したのでご紹介します。
しかし、これだけでは物足りない…。
結局おさまりが付かず、この後千鳥ヶ淵公園の桜も見物に行ったのでそれも報告させていただきます。
「お花見に『5センチメートル』桜を見に行った話」のあと千鳥ヶ淵公園に行った話
千鳥ヶ淵公園は東京都千代田区麹町1丁目2にある皇居のお堀端の公園。
最寄り駅は地下鉄半蔵門線の半蔵門駅か、都営新宿線・地下鉄東西線の九段下駅、もしくは地下鉄有楽町線の麴町駅。
千鳥ヶ淵公園児童遊園付近の桜
私は半蔵門駅から公園に向かいました。
時は三月末日、平日のお昼前。もう散り始めの桜だったのですが…平日でもやはり桜の名所、海外からの観光の方々も大勢いらっしゃっていました。
絶景の千鳥ヶ淵緑道付近の桜
特に混雑していたのは北の丸、千鳥ヶ淵緑道のあたり。
ここから見る千鳥ヶ淵のお堀の桜。
何度かTVでも見たことのある光景。
これは確かに絶景…!
名所となるのも納得の迫力、説得力。
お堀にはボートもあるんですね。
ボート乗り場は長蛇の列でした。
確かに、美しい桜を眺めつつ皇居のお堀をたゆたうというのは、最高のプライスレス。お値段以上の価値があるように思えました(ボート代がいくらするのかは知りませんが)。
「戦なき世」千鳥ケ淵戦没者墓苑の櫻花
もう一つ、一度行ってみたいと思っていたのが、千鳥ケ淵戦没者墓苑。
先の大戦での日本人戦没者の遺骨、そのうち身元不明や引き取り手のない遺骨を安置するための「無名戦没者の墓」。
千鳥ケ淵戦没者墓苑(ちどりがふちせんぼつしゃぼえん、英語: Chidorigafuchi National Cemetery)は、日本の戦没者慰霊施設。日中戦争および大東亜戦争/太平洋戦争の戦没者の遺骨のうち、遺族に引き渡すことができなかった遺骨を安置している。公園としての性格を有する墓地公園とされており、環境省が所管する国民公園等のひとつである。千鳥ヶ淵戦没者墓苑、国立千鳥ケ淵戦没者墓苑(こくりつちどりがふちせんぼつしゃぼえん)、国立千鳥ヶ淵戦没者墓苑とも表記される。
Wikipediaより
散る桜の花びらを愛でるココロと慰霊のココロにも相通ずるものがあるのではと思ったのでした。
お花見の方々でごった返す通りから入り口に入ると打って変わって静寂な空間。
遺骨が安置されている六角堂。
¥100で献花も出来るのですね…。表の混雑ほどではないですが、結構参拝に来ている人も多かったです。
墓苑に入って左右の位置には昭和天皇、上皇陛下の御製の碑が…。
いずれも平和を主題とした和歌ですが…、その視点は非常に対照的ですね。
ちょっと こうの文代さんの漫画を思い出したりもしながら…、櫻花咲き誇る碑を前に、「いくさなき世」と「かの難き日」の桜に違いはあるのだろうかと、考えさせられました。
新海誠監督作品・こうの史代作品について
引用作品について
秒速5センチメートル
新海誠監督作品 2007年3月3日公開
小学校の卒業と同時に離ればなれになった遠野貴樹と篠原明里。二人だけの間に存在していた特別な想いをよそに、時だけが過ぎていった。
公式ホームページより
そんなある日、大雪の降るなか、ついに貴樹は明里に会いに行く……。
雲のむこう、約束の場所
新海誠監督作品 2004年11月20日公開
国境の彼方にそびえる塔と、彼女への憧れ。二つの思いを胸に少年は飛行機を作り始めた。
公式ホームページより
そして…世界と彼女との間で引き裂かれる、青き日々の想い。ひとつの決意を胸に、彼は飛行機を空に疾させる———
夕凪の街 桜の国
こうの史代 著 双葉社アクションコミックス刊
発売日:2004年10月12日
定価:880円 (本体800円)
判型:A5判
ISBN:9784575297447
昭和30年、灼熱の閃光が放たれた時から10年。ヒロシマを舞台に、一人の女性の小さな魂が大きく揺れる。最もか弱き者たちにとって、戦争とは何だったのか……、原爆とは何だったのか……。漫画アクション掲載時に大反響を呼んだ気鋭、こうの史代が描く渾身の問題作。
双葉社ホームページより
第9回手塚治虫文化賞新生賞・第8回文化庁メディア芸術祭大賞を受賞。
この世界の片隅に 中
こうの史代 著 双葉社アクションコミックス刊
発売日:2008年07月11日
定価:713円 (本体648円)
判型:A5判
ISBN:9784575941791
平成の名作・ロングセラー「夕凪の街 桜の国」の第2弾ともいうべき本作。戦中の広島県の軍都、呉を舞台にした家族ドラマ。主人公、すずは広島市から呉へ嫁ぎ、新しい家族、新しい街、新しい世界に戸惑う。しかし、一日一日を確かに健気に生きていく…。
すずも北條家に嫁ぎあくせくしてる間に、ようやく呉の街にも馴染んできた。リンさんという友達もできた。夫婦ゲンカもする。しかし戦況は厳しくなり、配給も乏しく日々の生活に陰りが…。そして昭和20年3月、ついに呉の街にも大規模な空襲が! 戦争という容赦のない暗雲の中、すずは、ただひたすら日々を誠実に生きていく。
双葉社ホームページより