熱い、濃厚、純粋まっすぐラブストーリー。
それを呪術廻戦か鬼滅の刃のごとき妖獣アクションもので表現するという、よく考えればありえないような取り合わせの佳作だと感じました。
本作の概要
追光動画(中国のアニメ会社)とWarnerBrothersがタッグを組んで制作した中米共同制作のフル3DCGアニメ映画『白蛇:縁起』。2019年1月に中国で公開し大ヒット。人と妖怪の境遇を乗り越える真実の愛と、時空・前世を超えても途切れることのない壮大なラブストーリーは中国全土を魅了する。
公式ホームページより
中国とアメリカの共同制作したフル3DCGアニメ映画。過去の米中共同制作アニメではアメリカが制作を担当している作品もありましたが、本作の制作の大部分は追光動画が行ったと、パンフレットの監督インタビューで 趙霽氏・黄家康氏 両氏が述べています。
2019年に中国で公開。2021年には続編が中国で公開予定。
中国の四大民間伝承である「白蛇伝」がモデルとなっている作品。
「白蛇伝」は時代にともなって色々お話の変遷があるようですが、大体共通しているのは前世の縁によって白蛇と人間の男性が結ばれる、もしくはめぐり会う、というストーリーのようです。
『白蛇:演技』は「白蛇伝」に出てくる〝前世の縁〟のいきさつについて描かれた作品。
日本初のカラー長編アニメ映画である『白蛇伝』等、様々な白蛇伝を知った上で見ると色々発見があって面白いかも。
映画『白蛇:縁起』 | |
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監督 | 黄家康・趙霽 |
アニメーション監督 | 謝君偉・李超 |
脚本 | 大毛 |
美術監督 | 唐彦文 |
音楽 | 郭好為 |
日本語吹替版キャスト | 三森すずこ 佐久間大介(Snow Man) 佐倉綾音 悠木碧 杉田智和 本田貴子 柴田秀勝 石川界人 沢木侑也 |
制作 | Light Chaser Animation Studios Warner Bros.(F.E.),INC. |
配給 | ブシロードムーブ チームジョイ |
日本語吹替版主題歌 | 「縁 -YUÁN-」/ Snow Man |
上映時間 | 約1時間45分 |
本編上映時間 | 約1時間32分 |
クレジット上映時間 | 約13分 |
ポストクレジットシーン | 有り |
おおまかな感想
CGはかなりハイレベル。中国アニメの伝統を感じさせる水墨画のような表現もあり、中国アニメの映像表現での進化を痛感しました。
内容を一言で…、ざっくり言ってみればこの作品は「妖獣アクション杭州ラブストーリー」。そのマニアックさというか、ユニークさは作品のあちこちにちりばめられております。
キャラクターデザインはかなりディズニーっぽいですが、口はおちょぼ口で小さめに描かれているのは中国的美意識が感じられて面白いし、一方でフェティッシュなこだわりを感じるちょいエロスなカットが多々あったりする。さらには、CGアニメ史上初ではないかと思われる熱ぅ~いキスシーン&ベッドシーンもあるという、ディズニーやピクサー作品なら絶対ありえない、従来のCGアニメという型にははまらない姿勢は、拍手を送りたい気分にはなりました。
ただ、そのために対象にしているターゲットは何なのか、テーマやアニメ作品としての統一感はやや散漫になっている感はありましたが。
配給はブシロード。そのせいか吹替版でヒロイン「白(ハク)」の声を演じるのは三森すずこさん。
他にも佐倉綾音さん、悠木碧さんなど、キャストは実に豪華。
白のフィアンセ「宣(セン)」役を演じるのはアイドルグループSnow Manの佐久間大介さん。
佐久間大介さんの声の演技は、全く違和感がなかったし、宣の感情が伝わって来る素晴らしいものでした。ただ、ジャニーズのアイドルさんってやっぱり凄いですね…。
劇場内に入ってみると女性の観客が非常に多かったし、ピクサーだのディズニーだのと違って日本での確固たるブランドイメージなんてまだ無いハズの中国のCGアニメ映画が、やたら上映回数が多いのも不思議に思っていたのですが(私が見た映画館では一日5回)、キャスティングを見てそれも納得。
やはりジャニーズは強い…。
引用画像は公式ホームページ、『【白蛇:縁起】本予告 60秒Ver. 』、『本編冒頭を特別先行公開!「白蛇:縁起」』より