【映画の感想】『ワールドツアー上映「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ 公開記念舞台挨拶中継』行ってきましたレポート
もくじ
2023年2月4日『ワールドツアー上映「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ 公開記念舞台挨拶中継』行って来ました。
めちゃくちゃ鬼滅のファンというワケではなかったのですが…、休みがちょうど合ったのと、舞台挨拶というハレの場に心惹かれて思わず席を予約してしまいました。
今回の『「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ』では、炭治郎、音柱・宇髄天元たちと上弦の陸・堕姫と妓夫太郎との激闘を描いた《遊郭編》第十話、第十一話の劇場初上映と共に、その後の新たな任務地での霞柱・時透無一郎と恋柱・甘露寺蜜璃との出会いや無限城に集められた上弦の鬼の姿を描いた《刀鍛冶の里編》第一話を初公開。
本作は、80以上の国と地域でワールドツアー上映を実施。
《遊郭編》のクライマックスと、《刀鍛治の里編》第一話を一挙にご覧頂くからこそ実現する〝上弦集結″、スクリーンで描かれる炭治郎たちの激闘と旅立ち。
そして上映に向けて、映画館での鑑賞に最適化する為に、本編映像を全編4Kアップコンバート。更に、全編の音楽を劇場環境に合わせて再ミックス。是非、新たな劇場体験をお楽しみ下さい。
公式ホームページ「イントロダクション」より抜粋
すなわち、大スクリーンと立体的な大音響で鬼滅の刃を見られる、という事以外利点は無い、あくまで世界中のファンのためのイベント、という感もありますが…、しかし。
私自身「鬼滅の刃」の大ブームという点にばかり眼を奪われ、結局のところ本来の「鬼滅の刃」の凄さをわかっていない、単なるブームの作品という過小評価をしているのではないかという気もしまして…。ブームもひと段落しているようにも見える今こそ、「鬼滅」にどっぷりと向き合おうと見に行きました。
結論から言うと見てマジで良かったのであります。
豊洲のららぽーとへ
2023年2月4日、AM10:00すぎ。行ったのは江東区豊洲の映画館。
何度か行った事のある映画館。
ここは都心の新宿だの渋谷だのといった映画館に比べると、週末でも午前中はあまり混んでいるのを見たことが無いのですが…。
結構混んでる。
座席はほぼ満席。
わいわいガヤガヤ。
涙の「遊郭編」
そして始まる鬼滅の刃「遊郭編」。
初っ端から「紅蓮華」とともにPV風の立志編のダイジェスト映像、続いて遊郭編第十話『絶対諦めない』・第十一話『何度生まれ変わっても』。
意外と解説も説明も何もなくいきなり始まりました…。無駄は省いて実にシンプルイズベスト。
まあ、それはともかく…、ともかく凄かった。
やはり大画面で見ると全く印象が変わるし、新たに気づかされる点も多かったです。
作画・音響の大迫力。鬼滅の刃の人気の秘密は、原作の良さを何倍もブーストするかの如く、アニメ版が表現の幅を拡げているからなのかと実感しました。
花街吉原の花魁、蕨姫(わらびひめ)として江戸の時代から人を食い続けていた堕姫と、一心同体に堕姫の体内に潜んでいた兄、妓夫太郎。吉原に潜入した「音柱」宇随天元と炭治郎たちによってその正体は明かされ遊郭の街を舞台とする大バトルに発展するわけですが…。
天元と妓夫太郎の戦闘シーンは、原作では1ページちょいの描写ですがそれを何倍もの密度のアクションシーンに仕立てられていて、もうビックリした、というのが正直な感想。
堕姫が善逸に斬られる「はやっ…」のシーンは、よりド派手に時間の長いシーンになっていたり、
「譜面ができた!」のシーンは一切解説などのモノローグは無く、イメージ的映像のみという演出になっているのは、よく考え抜かれているのだなぁ、とアニメ版の作りこみを実感しました。
動きのスピーディさや激しさはTVアニメのレベルを超えている。劇場公開のリクエストが多かったというのも納得、というか最初から劇場版として制作されていた作品という錯覚にも陥りました。
そして堕姫と妓夫太郎。
この兄妹の存在も…、涙無くして見られません。
炭治郎と禰豆子、堕姫と妓夫太郎。この二組は見事に対照をなしているのがよくわかった。
妹を守れず、「俺の唯一の心残りはお前だった」と言う妓夫太郎の気持ち…。
死してなお、何度生まれ変わっても妓夫太郎の妹になるという堕姫・梅ちゃん。
何度生まれ変わっても鬼になるという妓夫太郎について行く梅ちゃん。
涙無くしては見られません。
キモい「上弦集結、刀鍛冶の里編」第一話
次は「上弦集結、刀鍛冶の里編」第一話。スペシャル版で一時間。
主題歌はMAN WITH A MISSION × miletの「絆ノ奇跡」。鬼滅の刃の主題歌といえば女性ボーカルオンリーというイメージがあるので、ちょっとだけ慣れが必要かも。
無惨の根城、異空間無限城に集う上弦の鬼たちはやっぱりキャラが立っていて迫力ありますね。
超キモい担当の半天狗。
キモかわいい担当の玉壺。
真正キモい担当の童磨。
上の三人とは対照的に、若さ、熱さ、怒り、ストイックなこだわり出しまくりの猗窩座。
これまた猗窩座とは対照的に、クール、諦観のストイックさで無双感出しまくりの黒死牟。
やっぱり上弦の鬼のインパクトはスゴい。
ただ、甘露寺ちゃんのインパクトも大。
この後の上弦の鬼たちとの戦いがどう描かれるのかも期待大。
無限城もCGを使いまくって、広大さ・不気味さはまさにラストダンジョンにふさわしい感じ。
先の話でしょうけど、最終決戦はどう描かれるのかもワクワクです。
舞台挨拶ライブビューイング
終了後、しばしの休憩をはさんで始まったのが出演声優さん達の舞台挨拶ライブビューイング。
登壇したのは花江夏樹さん、鬼頭明里さん、下野 紘さん、松岡禎丞さん。
中盤からは着ぐるみ三頭身キャラの炭治郎、禰豆子、善逸、伊之助も出て来ました。
お話の内容は、ホントに作品全般をくまなくカバーして話題にしている感じ。
新オープニング映像での伏線とか、大スクリーンで観る映像の凄さとか。
下野 紘さんは特に上弦の鬼、童磨のハブられっぷりについて善逸との相通ずる部分があるとか、松岡禎丞さんは童磨役の宮野真守さんの演技の存在感や説得力について語られていたのは、なるほどなぁ…と思いました。
あと、松岡禎丞さんは即興で着ぐるみの伊之助に声をアテレコしたり、公開日を言い間違えて凹んだり、その存在感は大。鬼頭明里さんからは禰豆子愛、演じるキャラクターへの愛着を感じましたし、花江夏樹さんはいっつもコメントに「ありがとうございます」という感謝の言葉をはさんで、世界へ飛躍する「鬼滅の刃」への期待感、高揚感というものに溢れておりました。
このライブ感を共有出来たのは良かった。来ているお客さんには、炭治郎のコスをしている人も居たりして「鬼滅大好き」パワーは会場に溢れておりました。
作画面でのハイレベル。内容的にも、大正時代を舞台とする「大正ロマンホラー」とでも言うようなユニークな世界観、キャラクターそれぞれの掘り下げも大変丁寧に構築されている。
出てくるキャラは、鬼も人間もみんなクセがあるようで意外と素直ですよね。これは作者吾峠呼世晴さんの人柄が現れているのかなぁ、などと思ったりして。
それは何といっても、堕姫梅ちゃん・禰豆子両名の『お兄ちゃん!』という台詞であります。
「鬼滅の刃」の描く「愛」
超私見ですが、80年代アニメの美少女ブームから近年の「妹萌え」ブームへと至るまで、「妹」という存在はセクシャルというかプラトニックというか、常にビミョ~なニュアンスを帯びていたのに(セイラさんの「兄さん!」若松みゆきの「お兄ちゃん!」亜美ちゃんの「お義兄ちゃん!」ロザミア・バダムの「お兄ちゃん!」等々、「シスプリ」、「俺妹」、「恋風」、etc.etc.etc.………)、私は漫画やアニメではじめて「ある種」健全な『お兄ちゃん!』という台詞を聴いたような気がします。
なんと言いますか…、これらが混然一体となっての「鬼滅の刃」ブームなのだと痛感しました。
「刀鍛冶の里編」の後には、いよいよ最後の決戦に向けての怒涛の展開が始まるのでしょうが、そこまでどのように描かれるのか、非常に楽しみであります。
無料パンフレット「上弦集結本」
劇場では無料パンフレット「上弦集結本」が配布されていました。
内容的にはこれまでのあらすじ、花江夏樹さんを中心としたキャストインタビュー、上弦の鬼たちの原画カット。無料のパンフとしては標準的内容。