ミス・レモンの場合
ケン一の場合
スパイダーマン大集合
見ました、スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム。
過去のスパイダーマン大集合になる作品とは全然知らず、あまり予備知識無しで見ていたので、初代「スパイダーマン」のトビー・マグワイアやウィレム・デフォー、「アメイジング」のアンドリュー・ガーフィールドまで出てきたのは驚きました。
もっとも、私はスパイダーマン映画全編を見ているわけではないので「あのトカゲ怪人は何?」「あの砂男は誰?」等、自分の記憶が欠落しているのか、見ていないだけなのか、そのあたりを探りながらの鑑賞だったのでやや混乱しました。
とはいえ、仮面ライダーの大集合とかウルトラ兄弟の大集合、銀河鉄道999にキャプテンハーロックが出てくるとか、こういうクロスオーバーものは見ていてテンション上がりますね、盛り上がります。
トビー・マグワイアのピーター・パーカーは体内で生成したウェブを手首から発射すると聞いて、他の二人(アンドリュー・ガーフィールド&トム・ホランド)が「スゴイ!」と驚くとか、トム・ホランドのピーター・パーカーから「アベンジャーズ」の説明を受けても他の二人は『??ナニそれ?』というリアクションしか返ってこないとか、メタっぽいパロディも面白かった。
ストーリーそのものはちょっと大味な感じもしましたが、しかし間違いなく、純粋に娯楽作品として楽しめる、それがマーベル作品というものでしょうか。
でも、ラストは切なかった‥。この切なさが他のマーベル作品とは違う、スパイダーマンらしさ、なのですかね。
『アイアンマン』のスタークや(超大富豪…)、『マイティ・ソー』のソーやロキ(神々の王…)といったエリート的なキャラとは対極にある、孤独で小市民的なピーターの魅力を大いに感じました。
アースって何?
もうひとつ感じたマーベル作品の魅力は、その作品世界の複雑さ。
色んなバージョンのスパイダーマンが集合するといったマルチバースの元祖はアカデミー賞を獲ったアニメ映画『スパイダーマン:スパイダーバース』でしょうか。
「スパイダーマン:スパイダーバース」 あらすじ
スパイダーマン、死すーー
Amazon 「スパイダーマン:スパイダーバース ブルーレイ&DVDセット 」商品説明より
スパイダーマンことピーター・パーカーの突然の訃報により、ニューヨーク市民は悲しみに包まれる。
13歳のマイルス・モラレスもその一人――彼こそがピーターの後を継ぐ“新生スパイダーマン”だが、その力を未だに上手くコントロール出来ずにいた。
そんなある日、何者かにより時空が歪められる大事故が起こる。
その天地を揺るがす激しい衝撃により歪められた時空から集められたのは、スパイダー・グウェン、スパイダーマン・ノワール、スパイダー・ハム、そしてペニー・パーカーと彼女が操るパワードスーツ。
彼らは全く別の次元=ユニバースで活躍する様々なスパイダーマン達だった。
物語の基本的な構造は『スパイダーバース』のリブートと言ってもいいくらい『ノー・ウェイ・ホーム』はそっくり。ただ、『スパイダーバース』はアメコミの「スパイダーマン」の知識が必要になるので、ある意味『ノー・ウェイ・ホーム』よりマニア向けかも。
私は今まで聞いたことも見た事も無いアメコミのスパイダーマンが次々出てくるので目が点になりました。
特に「???」だったのは最後に出てくる「アース67」という単語。
調べてみて初めて知りました。
マーベルコミックスの無数にある作品は、すべて「アース○○○」というナンバリングされた所謂『世界線』でカテゴライズされているんですね…。
私にはややこしくてまだ完全に把握できていないのですが、「アース616」という世界がマーベルコミックの正史となる世界で、スパイダーマン、キャプテンアメリカ、アイアンマンなど、主だったマーベル作品はほとんど全てこの世界に属している…のですね。
原作コミックの『スパイダーマン』は「アース616」、映画の初代『スパイダーマン』は「アース96283」、『アメイジング』は「アース120703」の世界の話という設定になっているらしい。
「アース67」というのは1967年にアメリカで放送されたアニメシリーズの世界で、旧設定では「アース6799」となっている…、ああややこしい。
アベンジャーズの舞台となるマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)は「アース199999」。
メインユニバース | |
---|---|
アース616 | マーベルコミックでの正史の世界。 |
アース10005 | 映画「X-MEN」の世界。 (オリジナル・X-MENシネマティックユニバース) |
アース12041 | ディズニー専門チャンネル「ディズニーXD」内のマーベル作品の世界。 |
アース91274 | コミック版「トランスフォーマー」の世界。 |
アース199999 | 映画「アベンジャーズ」の世界。 マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU) |
という事は‥、映画の「アイアンマン」や「キャプテンアメリカ」「キャプテンマーベル」といった作品はMCUのフェーズ3とか2の作品だから…「アース616」のコミックの世界とは全く違う世界の話…なのか…?
ああ、ややこしい。
特に、スパイダーマンは先ほど紹介したペニーパーカーとかスパイダーマン・ノワールとか、日本でも東映が作った「スパイダーマン」もあるし、池上遼一さんが描いた漫画版「スパイダーマン」もある。
そういう様々なバージョンのスパイダーマンは100作品ほどあるらしいですし、ここまでの世界観の拡がり・資産を持つスパイダーマン、マーベルコミックなら‥、これらが活かされるマルチバース化は自然な流れという気もします。
(前略)14本目にもなるとスパイダーマンと戦わせるにふさわしいヴィランを探すのさえも難しくなってしまいます。しかし、ドクター・ストレンジがすでにマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)のキャラクターとして登録済みだったということもあり、マルチバースの道に向かっていくのは自然な流れでした。
パンフレット 製作総指揮レイチェル・オコナーのインタビューより
…ちょっと私も、今まで良く知らなかったマーベルコミックの世界をもうちょっと詳しく探訪してみたいと思いました。
改めてそういう気になったのも『ノー・ウェイ・ホーム』を見ての収穫、でした。