『アンネ・フランクと旅する日記』見ました。
思っていた以上にアニメらしい作品でした。
監督は、アニメ映画『戦場でワルツを』などの監督を務めたアリ・フォルマン氏。
『戦場でワルツを』はかなり昔に見ました。見る者の感情移入を拒むかの如く、かなりシビアなリアリズムにあふれた、いい意味であまりアニメらしくない作品だったという記憶があります。
なので、本作はけっこうアート的な雰囲気が強かったり、大人向けだったりするのかな~などと思っていたのですが、見てみると子供向けに制作されたとっつきやすいアニメらしいアニメでした。
アクションあり、ラブストーリーあり、何よりもアンネ・フランクの生涯、歴史的意義をよく理解できる。特に、今のウクライナでの戦争が繰り広げているという世相の中、まさにアンネ・フランクの時代を何とも言えないリアリティの中で見ることが出来ました。
キティが現代的なファッションをしている事が象徴的にも見えましたが、決してアンネ・フランクの悲劇、その悲しみは過去の事ではないというテーマは強烈に感じました。
ただ、ストーリー後半になるとけっこう具体性のある政治的メッセージが込められている…とも言える展開で、悪い意味ではないですがこういう所はあんまりアニメらしくないかなぁ~…という感じも個人的にはしました。
これは制作側の意向でもあったみたいですが、アリ・フォルマン監督作品らしさでもあるような気もします。
しかし今の時代、普段の日常が突如崩れ悲劇が訪れるかも知れないということは、自然災害であれ疫病であれ人の過ちであれ、何度も私たちは体験している。
テーマは重いかも知れないのですが、それを過激には表現しない演出はそこかしこに施されている映画ですので、ぜひともお子様にも見てもらいたいと思う映画でした。