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2022年4月1日 0
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藤子・F・不二雄SF短編<PERFECT版>(1)ミノタウロスの皿 レビュー 【マンガ本レビュー】

藤子・F・不二雄SF短編<PERFECT版>(1)ミノタウロスの皿 レビュー 【マンガ本レビュー】
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藤子・F・不二雄SF短編<PERFECT版>(1)ミノタウロスの皿

藤子・F・不二雄のSF短編112話を全8巻に完全収録した“PERFECT版”が登場! 鋭い風刺精神を存分に発揮した「藤子美学の世界」にどっぷり浸かれる作品集!

Amazon.co.jp商品説明より

おおまかな感想

言わずと知れた藤子・F・不二雄先生のSF短編。やはりその魅力はF先生の作風である「すこし ふしぎ(SF)」。
日常生活でのふしぎな出来事を描く、ミクロな視点でのSFというのは小松左京氏や星新一氏といった巨匠のSF短編の王道に通じるもの。科学あり、宇宙あり、SFの基本に忠実でありつつも同時に、いわゆる『藤子美学』と言えるF先生独自の視点はきっちり表現されている。その完成度の高さではないでしょうか。

第一巻は69年から73年までの作品を収録。年代順に掲載されているので、F先生のSF短編の作風の変化もとらえやすく、大全集よりもこちらの方がファンとしては面白いのではないか?とも思います。
そういうところが<PERFECT版>、ということでしょうか。

この第一巻を読んで感じるのは、傾向としてドラマ的な雰囲気で魅せる、というよりもナンセンスコメディとか大人向けのブラックユーモアテイストのシチュエーションで楽しませる作品が多い印象。象徴的なのは『スーパーさん』『カイケツ小池さん』『気楽に殺ろうよ』…といったところ。

全体としてみると、藤子F作品らしさが全面的に出ているというよりは、藤子F短編作品としての方向性を模索しているような…そういう雰囲気もあるにはあります。
とはいえ、藤子F短編の象徴ともいえる『ミノタウロスの皿』、のちのドラえもんの有名エピソード「ドラえもんだらけ」の元ネタといえる『自分会議』、どんでん返しSFとしても面白い『ヒョンヒョロ』、藤子F短編ファンなら見逃せない『劇画・オバQ』等、名作ぞろい。

初期作品ならではのパワフルさを感じます。

本書について

藤子・F・不二雄氏による短編の総集編。第一巻は1968年の「少女コミック」9月号に掲載された『スーパーさん』から1973年「ビッグコミック」4月10日号に掲載された『イヤなイヤなイヤな奴』までを年代順に収録。

巻末には藤子・F・不二雄氏の長女である藤本匡美さんによるエッセイ「こっそり愛読した父の作品」が掲載されています。

タイトル雑誌名年月号
スーパーさん少女コミック1968年9月号
ミノタウロスの皿ビッグコミック1969年10月10日号
ぼくの口ボット子供の光1970年1月号
カイケツ小池さんビッグコミック1970年4月25日号
ボノム=底ぬけさん=ビッグコミック1970年10月10日号
ドジ田ドジ郎の幸運SFマガジン1970年11月 増刊号
じじぬきビッグコミック1970年12月25日号
ヒョンヒョロSFマガジン1971年10月 増刊号
自分会議SFマガジン1972年2月号
わが子・スーパーマンビッグコミック1972年3月10日号
気楽に殺ろうよビッグコミック1972年5月10日号
アチタが見えるビッグコミック1972年8月25日号
換身SFマガジン1972年9月 増刊号
劇画・オバQビッグコミック1973年2月25日号
イヤなイヤなイヤな奴ビッグコミック1973年4月10日号
藤子・F・不二雄SF短編<PERFECT版>(1)ミノタウロスの皿
筆者藤子・F・不二雄
発売日2000年07月25日
発行所株式会社 小学館
総ページ数362ページ
判型A5判 148✕210
ISBN-104091762018
ISBN-13978-4091762016
定価本体 1,980円(税込)
2022年 4月時点

藤子・F・不二雄 藤子・F・不二雄SF短編<PERFECT版> 藤子不二雄

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